ライセンスが明示されていないのは、どんなライセンスよりも厳しいライセンスだ。
Ruby 1.9.2リリースとWEBrick脆弱性問題の顛末 | 西尾泰和のはてなダイアリー
あんまりこの話を見かけない気がするので覚え書きです。 あとタイトルと概要が内容の全てです。
cl-arrowsの概要
cl-arrowsというライブラリについて簡単に説明します。
cl-arrowsはCommon LispでClojureのthreading macroを実装したライブラリです。 threading macroは以下のようにGleamとかElixir likeなパイプラインが使えるマクロになります。
(import 'java.net.URI)
(let [area-code 130000]
;; -> の部分がthreading macro
(-> (URI. "https" "www.jma.go.jp" (format "/bosai/forecast/data/overview_forecast/%d.json" area-code) nil)
(str)
(slurp)
(json/parse-string true)
:publishingOffice)) ;; => "気象庁"
本来ネストしたりletで書いていく箇所をただ実行したい順序で書けるので、書きやすくスッキリとしたコードになります。
cl-arrowsにはライセンスがない
そんなこんなで便利なcl-arrowsですが、なんとライブラリがありません。 GitHubのLicenseで表示されてないだけかと思いファイルも確認しましたがありません。
このissueを見ると分かりますが、cl-arrowsはライセンスがないライブラリになります。
ライセンスがないライブラリを使用するリスクについては以下の記事が詳しいです。
上記の記事にも該当記事のリンクがありますが、Ruby1.9.2ではライセンスがないプログラムによって実際に問題が発生しました。
代わりにarrowsを使おう
という訳でcl-arrowの代わりとしてarrowsを使っていきましょう。
基本的な機能はcl-arrowsを踏襲しているので、移行もそこまで手間ではないと思います。
ちなみにこちらのライブラリのライセンスはパブリックライセンス(CC0)になります。
cl-arrowsはASDFのサンプルとして使われていたりなにかと目にする機会も多いのですが、 抱えているリスクを聞く機会はあれど1その内容を書いている記事はなかった気がする2のでこの機会に文章にしてみました。
元日からちょっと重い内容を書いてしまいましたが、今年も良い年にしていきたいです。